金沢港 書店船「ロゴスホープ号」入港 船内ツアーしてきました

豪華客船の入港が相次ぐ金沢港ですが、5月15日に豪華客船とは違う少し変わった船が金沢港 無量寺埠頭に入港しました。世界最大の図書船「ロゴス・ホープ号」です。5月16日から26日の間、船内で図書の販売や船内ツアーが開催中です。船内ツアーに参加し説明を聞いてきたので、その様子をレポートです。

ロゴスホープ号って?

世界67カ国370人のプロテスタント系クリスチャンのボランティアが乗る船です。訪れた町で無償の奉仕をし、乗員たちが経験を得ていくことを最大の目的としています。1つの港に2週間程度停泊し、1年中世界中を航海しています。金沢の前は長崎に寄港していました。今回が日本初就航だそうです。

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船の全長は132メートル。最近200m超えの超大型船の入港が相次ぐ金沢港では、小ぶりのサイズです。それでも駐車場から撮影すると全体は入りません。こちらはみなと会館の屋上から撮影。

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左 コスタ・ヴィクトリア(252メートル)と右 ロゴスホープ号

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乗船

外国船なので、乗るには運転免許証やパスポートといった身分証明書の提示が必要です。氏名や生年月日、連絡先を記入し入場カードを貰います。今回平日の夕方に撮影に行ったためすぐに乗船できましたが、休日の日中はみなと会館まで列が伸び、乗船まで1時間並ぶこともあります。テーマパーク状態です。ご注意下さい。

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タラップを上がり船の中へ。

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こちらで入場料の100円を払います。日本円で大丈夫です。小さな女の子が流暢な日本語で対応してくれました。あまりにもペラペラだったので驚きました。しかし日本語を話せる人は、この船の中では僅かとのこと。

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船の中には、ボートのようなシアタースペースが。

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船のシミュレータでしょうか

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船員の部屋を再現したブース

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ロゴスホープ号や、その前の「ドゥロス」「ロゴス」「ロゴス2」といった船の写真が飾られています。

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船の本屋さんへ

メインの本屋さんへ入ってみます。図書館ではありません。本屋です。

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洋書がずらりと並びます。5000種類80万冊の本があります。洋上最大の本屋として知られています。

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本のジャンルはさまざま

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本は「UNIT」という単位の値札がついています。100UNIT=300円です。

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大変お安くなっていますが、どれも英語です。

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日本語の本もありますが、宗教色の強い本ばかり。

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CDも売ってました。

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ペンやノートなど、ロゴスホープ号の記念グッズ。

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特売品。

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お会計はこちら。日本語はあまり通じませんが、多分ここで洋書買う人は英語ペラペラな人ばかりだと思いますので問題ないでしょう。雰囲気に流されて後から絶対に読みもしないのに英語の本買おうとしちゃった方はご注意下さい。対応自体はすごく丁寧でした。

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 本屋を抜けると・・・

何やらイラストの描かれたパネルが並んでいます。突如物語が始まりました。ディズニーランドのQラインみたいですが、宗教色全開です。

こちらのストーリーの意味は、「いい選択をしよう」という話だそうです。

何やら願望を思い受けべている人が並びますが、誰しもいい選択をして幸福になりたいと願っています。左の少年は、どんな選択をするのでしょうか。

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父と2人の兄弟がいました。

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父は息子たちに、正しく生きろと教えます。兄はまじめに働き農業を。弟は都会に出て一発当ててやるんだと反発。

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父はお金を2人に分け与えましたが、弟はその金で自転車を購入。都会へ出ます。ですがそこで悪い人とつるみだし、カジノや女に溺れ無一文に。盗みもやりますが飢えて死にかけます。

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恥を偲んで実家に戻ると、父はそんな弟でも優しく出迎えてくれました。兄はあんなやつは頬っておけといいますが、それでも父はすべてを許してくれました。という話しらしいです。神はすべてを許しますという話につながるんだそうですが、教養ないので詳しいことわかりませんすいません。

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更に奥へ

シアタースペース2があります。

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ディーゼルエンジンのカットモデル。この船はディーゼルエンジンで動いていますが、その説明に使うのでしょうか

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舷窓を除きます。

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五郎島岸壁が見えました。

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飲食スペースも

売店もありました。インターナショナルカフェで、船員さんたちと交流できます。英会話を学んでる学生さんたちなんかにオススメです。

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コーヒーやポップコーンが売ってます。日本円を使えますが、英語です。

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最後にずらりと並ぶ無料の本。エイズに関する本です。無料ですが中は勿論英語。

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唐突に現れる巨大キャリーケース。中に入って記念撮影とかできるみたいです。

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船内ツアーへ

1日に数回。1回10人限定で本屋や売店以外の部分を見学できる船内ツアーがあります。

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料金は500円。休日はすぐに満員になるそうです。

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過去にこの船に乗ったことがあるという日本人の方がツアーガイドしてくれました。

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この船は、クリスチャンが約2年間の船旅をし、 無料のボランティアを通じて多くの物事を学ぶための船です。ボランティアどころか船に乗るには月8万円の支払いが必要です。この金額は国籍によって異なるそうで、4~15万円ぐらいで変わるそうです。ちなみに日本人は約370名のうち5名のみだそうです。乗船には教会の推薦が必要です。ピースボートのように意識が高いだけでは乗れませんし、最低限の英語は必要です。

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わざわざお金を払ってボランティアというのは少々日本人には理解しづらいのですが、キリスト教が熱心な国ではロゴスホープ号に乗るというと、周囲の人が金額面で支援してくることが多いそうです。この船の目的は知識をつける、奉仕する、希望を与えるという3つです。知識というのは、様々な国の人と触れ合ったり、多くのイベントを通じて学びます。奉仕は、寄港先で家を立てるボランティアをしたり、井戸をほったりといった活動を行っています。希望を与えるという面では、発展途上国で暮らす人々の精神面での手助けを行っています。

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2年間も家族と離れて暮らすと、やはり家族が恋しくなるそうです。この船にはフェイクファミリーというものがあり、船内にいる間は全く赤の他人を家族と思って暮らしているんだそうです。このガイドさんが乗船していた時は父がアイルランド人で母がアメリカ人という家族構成だったそうです。

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ロゴスホープ号は元々カーフェリーだった船を改造して作られました。こちらは車庫だった場所。

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日曜の礼拝などに使うスペース

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上記のような説明が書かれたパネル。Logos Hopeとは神の言葉を望むという意味だそうです。

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この奥はキッチンスペース。もちろん料理人もすべてボランティア。料理人どころか船医さんやエンジニア、そして船長も無給のボランティアです。本当の家族全員で乗ることもあるらしく、船内には40名ほどの子供もいます。そのためボランティアの教師も乗ってます。

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談話室。

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当然ですが、以前見学した豪華客船サン・プリンセスダイヤモンド・プリンセスとは比べるまでもなく見劣りします。普段金沢港でクルーズ船のお見送りなどに参加しない人には、このロゴスホープ号も豪華客船だと思ってしまうみたいで、Twitterなどで豪華客船と書いてる方もちらほら見かけます。この船、元々普通のフェリーです。

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こちらは食堂。ガイドさん曰くたまに美味しいものがでるそうです。普段はまずいのでしょうか・・・。日本食は出ないとのこと。

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乗客の国はバラバラです。現在67カ国。

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おそらく船室

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デッキへ出ます。ファンネルがライトアップされてました。

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この日最後の船内ツアーだったため、外は真っ暗になってました。

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どこぞの船と違って、避難訓練や設備のチェックはちゃんと行われているそうです。

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操舵室へ

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操舵室からは戸水岸壁が見えます。ちなみに左に写る貨物船の中には北陸新幹線W7系W2編成が入っています。陸揚げ陸送間近です。

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艦長の服を着て記念撮影も。観光客用だそうです。

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最後に船の紹介DVD

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以上で下船となります。

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夜9時半までの営業なので、夜遅くに訪れても大丈夫です。23日には英会話イベント「English Cafe 英語で話そう」、24日「絆!多様性の中での調和」といったイベント(有料・要予約)が予定されています。

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出港までに

金沢港、17日にはカレドニアンスカイが、24日にはロゴスホープの倍くらいのサイズがあるコスタビクトリアが戸水埠頭に入港するのでロゴスホープ号と並びます。

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北陸新幹線W7系W2編成の陸揚げも17日と19日の2回行われます。

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新幹線の金沢港から白山総合車両所までの陸送は18日深夜~21日深夜の4日間です。

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