5月24日の金沢市 市中パレードに引き続き、金沢駐屯地で金沢駐屯地創立64周年記念行事が開催されました。例年9月頃に開催されるこのイベントですが、今年は5月25日(日)の開催と時期が異なっています。戦闘訓練展示や戦車試乗など、ミリタリーファン以外の大人や子供も楽しめるイベントなのですが、小松基地航空祭に比べてマイナーなのが残念です。少しでも雰囲気を伝えられるようレポートです。
駐屯地の駐車場は関係者・招待客のみの利用となるため、一般客は臨時駐車場に停める必要があります。北陸学院第一幼稚園の臨時駐車場。朝の7時半ですがすでに列ができてました。
シャトルバスは数分おきに沢山走っています。航空祭のように北鉄が運営しているわけではなく、自衛隊のシャトルバスなので無料です。車両には第305輸送隊と書かれていました。
目次
金沢駐屯地
8時ごろにシャトルバスが駐屯地に到着。ただし開門が8時半からということで、バスを降りるのもその時間となりました。駐屯地前にも入場待ちの行列ができてました。入場には手荷物検査が必要です。
昨日のパレードに参加したOH-6D、UH-1J、AH-1Sがグラウンドから離陸していきました。三小牛山演習場のあたりに着陸していたので、そこで出番まで待機していたのだと思います。シャトルバスで燃料補給用の車両とすれ違いました。
大量の軽装甲機動車
まずは戦車試乗の整理券を確保しに行きます。
戦車試乗は500人限定です。
陸上自衛隊といえばやはり戦車。去年は1両しか無かった74式戦車ですが、今年は2両来てました。滋賀県の今津駐屯地からトレーラーで運んできました。
会場散策
資料館「尚古館」の開放や野点が行われています。こちらは金沢駐屯地の各部隊が出店する模擬店
自衛隊石川地方協力本部。ミニ制服コーナーやアンケート。
駐屯地の売店へ
各種自衛隊グッズなど
10式戦車「来るなら来い」
自衛隊とコラボ中のくまモン
記念式典
10時より式典が始まります。ちなみにこの時間では客席スタンドは満席。スタンドの隙間も2~3層に人の壁となっています。兵舎屋上も前列は埋まってました。
祝辞では石川・福井の国会議員や副知事、基地司令官の挨拶がありました。山野之義金沢市長は「自衛隊が活動しやすい環境を作る」と短い挨拶で締めくくりました。
金沢駐屯地司令・第14普通科連隊長による巡閲
観閲行進
徒歩部隊428人、車両55両、航空機4機による観閲行進が始まりました。まず行進曲「大空」を演奏しながら入場してきたのは愛知県守山駐屯地の第10音楽隊です。第14普通科連隊は第10師団に属していますので、基本的に式典に来るのは第10師団の部隊です。そのため1つの師団に複数ある普通科以外の部隊は、第10○○隊という名前になっています。
北陸3件の県旗が続きます。金沢駐屯地は北陸最大の陸上自衛隊基地で、第14普通科連隊は石川県のみならず富山・福井の防衛も担当します。富山駐屯地・福井 鯖江駐屯地は施設科ですので戦闘部隊ではありません。富山県の県旗が行進します。
石川県の県旗
福井県の県旗
音楽隊の演奏が「陸軍分列行進曲」に変わります。まずは本部管理中隊の82式指揮通信車
本部管理中隊は各中隊の取りまとめを行います。
普通科は赤いスカーフ
第1中隊
01式軽対戦車誘導弾
第2中隊を飛ばして第3中隊
基地司令官に対して敬礼します。
3月に入隊したばかりの隊員による臨時教育隊
情報小隊
愛知県の春日井駐屯地から第10偵察隊の87式偵察警戒車。ちなみにこういう式典に他の基地から集まる車両は、戦車以外は高速道路を自走してやってきます。
第2中隊が高機動車で行進
第4中隊は軽装甲機動車
重迫撃砲中隊の120mm迫撃砲 RT
愛知県の第10特科連隊から155mmりゅう弾砲 FH70
第10後方支援連隊第2整備大隊
整備支援用のレッカー車
第10高射特科大隊の81式短距離地対空誘導弾
富山駐屯地の第382施設中隊 81式自走架柱橋
第10特殊武器防護隊の化学防護車。昨日やたらとフレンドリーな行進をしていたこの人も、今日はしっかりと敬礼していました。この後の装備品展示で、面白くてわかりやすい説明をしてくださいました。
第10戦車大隊の96式装輪装甲車
そして74式戦車。砂埃を巻き上げて力強く走行していきました。たぶん、車両の中で一番のスピードを出していたと思います。
続いて航空機。昨日のパレードにも参加した航空機が観閲式や戦闘訓練に参加します。海上・航空自衛隊のヘリは帰投したようです。三重県の明野駐屯地から第10飛行隊のOH-6D。
UH-1J。よく見ると後ろの席で隊員がスマホで写真撮ってます。敬礼しなくていいのでしょうか・・・。
第5対戦車ヘリコプター隊からAH-1Sが2機。航空機は再び演習場に戻って行きました。
音楽隊演奏
第10音楽隊が3曲、演奏を披露しました。
武闘展示
銃火器が使えない状況下で敵を撃退するための舞踏の展示が行われます。まずは銃剣道。
4対1で各種武器から反撃を行う様子。セガール状態。
ナイフや拳銃を突きつけられても、反撃します。
戦闘訓練展示
おそらく今日集まった人にとって、メインイベントであった戦闘訓練展示です。実弾こそ使用しないものの、大迫力の戦闘や音が楽しめます。会場グラウンド半分を占領した敵部隊を、各種装備を用いて撃退するための訓練が公開されました。
まずは敵陣地に対してOH-6Dが偵察飛行をし、位置を把握します。
ヘリは会場正面をかなり低く飛びます。
さらなる偵察のため、UH-1Jよりレンジャー部隊がリペリング降下し、敵陣地へ潜入します。
続いて偵察用オートバイがジャンプを披露
敵陣地前でバイクを盾にして攻撃します。
敵の陣地からも重機関銃で応戦。
敵の勢力を調べるために、87式偵察警戒車も25mm機関砲を撃ちながら会場へ突入。
高台からスナイパーライフルで敵の司令官を狙撃。敵役の隊員さん、笑ってます。
司令官を助けに行った部下も狙撃。
敵陣地へ攻撃を仕掛けるためにAH-1Sが低空飛行で進入。
本当に撃つわけではありませんが、地上で模擬弾が爆発します。
ヘリの登場により、敵も増援の車両を投入。96式装輪装甲車の期間銃で攻撃を始めました。
敵車両を撃破するために74式戦車が登場。主砲を撃ちます。
FH70も射撃。こちらはとんでもない音がしますので、来賓の車がセキュリティアラームを一斉に鳴らし始めました。小さなお子さんは耳をふさいであげて下さい。実弾は出ませんが火は出ます。
軽装甲機動車により歩兵部隊が到着。
姿勢を低くし全面に展開します
数人の敵相手に対戦車ヘリ2機、戦車2機、榴弾砲、歩兵部隊となんとも容赦無い自衛隊です。
敵陣地の有刺鉄線を爆破し陣地へ突入
AH-1Sも上空から支援。敵陣地の制圧に成功しましたが、残党が奥のビルへ逃げました。
逃げた敵が立てこもっている部屋へ、屋上からレンジャー部隊がリペリングで突入します。金沢駐屯地名物の女子寮突入です。まず1人が手榴弾を窓から投げ込みます。
レンジャー2人がガラスを割って突入。
状況終了。
戦車試乗
先ほどもらった整理券を使って戦車に乗ってみましょう。戦車に乗ると行っても車内に入れるわけではなく、専用の座席を戦車に取り付けてグラウンドを1周します。
安全のためヘルメットをかぶります。ヘルメットは使いまわすので、使い捨てのヘアネットを先にかぶります。
乗車。ちっちゃなお子様も体験します。ちなみに1週乗り降り含め6分。1回10人×2両ですので、乗るのに1時間ほど並びました。
かなり揺れます。振り落とされないようにしっかり捕まっていないと本当に落ちそうです。カメラなんか撮ってる余裕ありませんでした。ここで指揮をしないといけない車長は大変そうです。
装備品展示
観閲式や戦闘訓練で使用された車両や航空機、金沢駐屯地の装備品が展示されています。各車両の詳しい説明は北陸のイベント紹介とはかけ離れるのでWikipedia見てください。
78式雪上車
87式偵察警戒車
82式指揮通信車
化学防護車
96式装輪装甲車
155mmりゅう弾砲 FH70
軽装甲機動車
81式短距離地対空誘導弾
81式自走架柱橋
UH-1J
一番人気だった対戦車ヘリコプターAH-1S。2機の内1機がここで展示されていました。
全席・後席ともに体験搭乗が可能でした。
全席は特に人気で30分以上の列に。