2019年3月13日、小松基地にて新型輸送機「C-2」の体験搭乗会が開催されました。石川、福井、富山それぞれの地本で募集が行われていたようで、北陸3県からの応募者を2回にわけてフライトが実施されました。
2019年1月に石川地本(自衛隊石川地方協力本部)のTwitterで体験搭乗の募集が行われ、条件はなんと抽選ではなく先着順。これは一大事と、募集のツイートが投稿されてから5分以内に応募のメールを送信しました。
当初は2月27日開催と告知されておりましたが、諸事情により中止とのアナウンスが。ですが応募者には方々には個別に3月13日に日付を変更したと案内されていました。
C-2は、C-1輸送機の後続機として開発された国産の輸送機で、2017年から航空自衛隊 美保基地の第403飛行隊で運用されています。2019年3月現在、試作機を含め10機が製造されており、現在も増産中。
川崎重工が本気かどうかはわかりませんが、海外への売り込みも行われており、ドバイエアショーやオーストラリア アバロンエアショー、イギリスで開催された世界最大の航空ショー「RIAT」などでも展示されています。
3月13日午前中に、入間基地よりC-2が小松基地に飛来。9号機#209です。#209は今年配備されたばかりの新造機。#203~#210までの8機が美保に配備済み。#201は岐阜基地で試験機として運用、#202は電波情報収集機(ELINT)に改修されテストが行われています。
2月27日から3月13日に変更となった際、C-2の都合がつかない場合は機体がC-1になる可能性もあると説明を受けていましたが、無事にC-2での開催となりました。C-2に比べて小型のC-1だと搭乗できる人数が減ってしまい、応募者の中から抽選となることでした。
C-2は岐阜や小牧、浜松、美保などの航空祭で展示されており、機内も公開されています。もはや珍しい機体ではありませんし、小松にもたまに飛来しますが、小松基地航空祭ではまだ展示されたことがありません。
午前と午後、2回フライトが行われました。午前のフライトは地上から撮影。午後からのフライトに搭乗させていただきます。
小松基地 正門へ。事前に同意書等を地本にお送りしておりました。
基地正門からマイクロバスで応接ルームのような場所へ案内されました。ここで飛行前ブリーフィング。搭乗時の注意点の説明と、ドッグタグが一人ひとりに配られます。通常の旅客機のような手荷物検査などはありませんでした。
マイクロバスでエプロン地区へ移動。この日は強風でF-15のローカルフライトはキャンセルとなっていたようです。天気予報は直前まで雨となっていましたが、当日は何とか晴れてくれました。自衛隊の方々も、朝まで飛行はあきらめムードだったとのこと。
駐機中のC-2の姿が見えてきました。
マイクロバスを降り、機体後ろのカーゴドアから搭乗します。
奥から詰めていきます。
物資や車両、ヘリコプターなどを輸送することもできますし、人員を輸送するときはこのような簡易的な座席を使用します。
最大110人ほどの人員を運ぶことができます。今日はそこまでの座席は取り付けられていませんが。
電光板には「ようこそ!C-2 209号機」の表示。
シートに着席。決して座り心地のいい座席ではありません。これでフェアフォード空軍基地やジブチまで乗って行くのは、しんどそうです。まあ足元は民間エアラインのエコノミーより広めですが。
カーゴドアが閉まります。
ロードマスターも着席。離陸のアナウンス。
RW24から離陸します
離陸後、すぐにシートベルト着用サインがオフ。あまり高度を上げないということもありますが、民間機ではありえない早さです。機内を歩き回ります。
F-15のフライトがキャンセルとなるような強風の日、機内がものすごく揺れます。まるで遊園地のアトラクションのような感覚。足腰に自身のなさそうな高齢の方は座ったままにしておられれました。
外を見ると、結構な低高度。福井県あわらの北潟あたりを低空飛行しているようです。
通常の旅客機の飛行コースではないので、地上からは何事かと思われたでしょう。
よくわかりませんが、高度は1000フィート前後ぐらいでしょうか。
福井県の東尋坊あたりまで飛んできました。
ここで旋回。小松に引き返します。
機内の窓は限られていいます。窓に人が集中します。譲り合って窓から撮影。
30分ほどのフライトで、基地に帰投となりました。予定では15分のフライトでしたが、大幅にサービスしてくれました。
エプロンに戻ってきました。
機体から降りて、C-2の記念撮影会。
C-2の全長は約43メートル。ボーイング737よりも大きく、ボーイング767よりは小さいといったところ。
エンジンはB747やB767と同じく、CF6系列です。といっても政府専用機やE-767、KC-767のエンジンとは微妙に仕様が異なるようで、共用はできません。
この後、第6格納庫にて整備中のF-15の見学と、現役の303飛行隊のパイロットによる解説がありました。流石に格納庫内は撮影禁止。アグレッサーや306飛行隊のF-15 6機が整備を受けていました。
※全く別の日に、空港デッキから眺めた第6格納庫(奥)
貴重な体験をさせていただきました。