金沢港クルーズターミナルに飛鳥2が寄港 1年半ぶりのクルーズ船

2021年4月2日(金)、金沢港にクルーズ船「飛鳥2」が入港しました。コロナ感染拡大やダイヤモンドプリンセスでのクラスター発生などにより2020年のクルーズがすべてキャンセルされ、せっかく完成した「金沢港クルーズターミナル」の出番がない日が続いていましたが、待ち望んだクルーズ船がやってきました。入港・出港の様子です。

入港

金沢港には朝9時入港なので、8時ごろにクルーズターミナルへ。乗船客以外も駐車場や入館料は無料。

飛鳥2がやってきました。551日ぶりのクルーズ船です。

全長241メートルと、日本船籍のクルーズ船では最大。

コロナ以前はダイヤモンドプリンセスやMSCスプレンディダなど総トン数10万トンを超えるような超大型客船の寄港が相次いでいましたが、海外船籍の客船はカボタージュ規制があり検疫や隔離措置で実質鎖国状態の日本では運行ができたないため、今年のクルーズ船寄港予定は日本籍の「飛鳥II」「にっぽん丸」「ぱしふぃっくびいなす」のみとなっています。

今回のクルーズは「佐世保発着 陽春の金沢・舞鶴クルーズ」で6日間のクルーズ。3月16日に飛鳥の乗組員にコロナ感染者が出たため、3月19日~23日出発のクルーズが中止となりましたが、このクルーズは無事に運行されました。

タグボートに支援され、ターミナルの前で回頭

みなと会館があったころは戸水ふ頭に接岸していた飛鳥2ですが、今回はターミナル向かいの無量寺ふ頭に接岸。

船首は出発しやすいよう、金沢港いきいき魚市の方向に向けるようです。

平日の朝早くですが、見物客らも見守ります。また、ターミナル開業後初の寄港ということもあり、テレビカメラも多数。この後石川県知事や金沢市長の挨拶もありました。

埠頭の一部は一般客らに開放されていました。奥のエリアは乗船客のみのエリアとなります。

飛鳥2は2020年にリニューアル工事を実施。露天風呂や大型のモニターが設置されました。東屋のような屋根があるところが露天風呂となっています。ただし港に入港中は利用できません。外から丸見えですし。

ターミナルビルのイベントスペースから。

CIQエリアではハープの演奏によるおもてなし。乗客らは桜のシーズン真っ最中の金沢観光や富山・白川郷観光などを楽しんだようです。

出港

出港は同じく4月2日の17時。

朝の時間帯にニュースで取り上げたためか、お見送りの一般客らも多数。

CIQエリアには臨時の金沢土産屋さん

ふ頭にはケータリングカー。一般客らも利用できます。

出港お見送りイベントが始まります。

せっかくなので、新しく完成した展望デッキから鑑賞

鞍月児童館バトントワリングクラブによるバトントワリング

You Can’t Stop The Beatなどの曲に合わせて、風が強い中バトントワリングを披露

乗客らもバルコニーやデッキから鑑賞。今回のクルーズ、乗客はたったの70人。ソーシャルディスタンスのためKステートの販売停止など部屋数を半分まで減らしてはいますが、それでも定員800人以上に対して少なすぎる人数。おそらく運航するだけで赤字となっているはず。4月19日(月)からの金沢発秋田・函館などの一部のクルーズは、最低人数に達しなかったため、中止となっています。

お見送りの市民に、バルーンが配られます。無料。

3,2、1のカウントダウンとともに、一斉にバルーンリリース

展望デッキの屋根にぶつからず、うまいこと飛鳥2の方向に風船が流れていきました。

以前は紙テープでお見送りしていましたが、コロナ対策なのか、展望デッキが出来たせいでできなくなったのかは不明(2013年の様子)

飛鳥も汽笛で応えます。なかなかの光景。

おなじみの大河ドラマ「利家とまつ」のメインテーマ「颯流」が流れます。この曲は、クルーズ船のお見送りのために作られたと言われても違和感を感じないほど、旅の始まりにぴったりな曲です。

クルーも手を振ってお別れ

京都 舞鶴港に向けて出港してきました。

次回は4月17日(土)~19(日)、「金沢発着 京都舞鶴ウィークエンドクルーズ」で金沢港にやってきます。石川県民は1割引きのプランも設定されていました。

今年は今回の寄港も併せて8回のクルーズ船入港が予定されています。すべてここ無量寺埠頭の予定ですが、以前は大浜ふ頭に接岸していた大型客船や、夏の港フェスタに合わせてやってくる海上自衛隊の護衛艦はクルーズターミナル完成後はどこに接岸するのでしょうか。

ちなみに飛鳥2、就航はクリスタル・ハーモニー 時代を含めると1990年と少々古めの船。3日前の3月31日、飛鳥2を運行する郵船クルーズは新客船の建造を発表しました。新しい船のデビューは2025年で、ドイツの造船会社マイヤー ベルフトで建造されます。初代 飛鳥、飛鳥IIとも日本の三菱重工で建造されましたし、日本郵船は三菱グループですが、アイーダプリマの巨額赤字などで三菱重工がクルーズ船の建造から事実上撤退したため、今回は海外で製造されるようです。名前が「飛鳥3」となるかや、現在の飛鳥2がどうなるかについては現時点では発表がありません。

出港後、駐車場から出る車で混雑。交差点が1か所しかないので、出るのに数十分かかります。