【乗船記】飛鳥Ⅱ金沢港発着クルーズに乗ってみた【コロナ対策】

2021年4月17日(土)~19日(月)、「飛鳥2」で行く「金沢発着 京都舞鶴ウィークエンドクルーズ」に乗船しました。

新しくできた「金沢港クルーズターミナル」から乗船し、飛鳥Ⅱの食事や船内サービスを堪能しながら日本海をクルーズし京都 舞鶴に寄港。金沢に戻ってくる2泊3日のショートクルーズです。

随所でコロナ対策が徹底され、安心してクルーズが楽しめるようになっていた船内の様子や、2020年に行われた大規模リニューアル工事後の飛鳥2の設備を紹介します。

料金

クルーズ船の中でも高級な部類に入る飛鳥2ですが、今回のクルーズは一番安い部屋で一人12万円からと、ショートクルーズだけあって現実的なお値段。

40代~50代は10%オフになるミドルエイジ割引や、石川県民なら10%オフになる県民割引もありました。また、ヤフオクなどには同様の値引き率となる株主優待券も格安で出品されています。

コロナ対策のため定員872名のところ、半分以下の人数で運航しており、安いFステートのお部屋も販売を停止しています。

北陸発着かつ有給取得日数を減らすことができるウィークエンドクルーズはなかなか開催されないので貴重です。全国からアクセスしやすい金沢発着なので、石川県外からの参加者も多くいらっしゃいました。

乗船まで

ツアー会社にてクルーズを申し込み。乗船2週間前に乗船券やクルーズガイドブックが送られてきます。

PCR検査

乗船客全員のPCR検査が義務付けられています。検査キットに自分で検体を採取し、事前にお送りして陰性であることが証明された乗客のみ乗船することができます。

このジーンライフの新型コロナウイルスPCR検査キット、費用はクルーズ料金に含まれています。自費で受けると14,900円。検体採取後はできるだけ人との接触を控えるよう注意書きがありました。

クルーズターミナルへ

4月17日(土)朝9時、飛鳥Ⅱが金沢港に入港。2021/4/14(水)神戸発〜17(土)金沢着 の「神戸発 春の北前航路 境港・金沢クルーズ」の最終行程です。しばらくはコロナ対策のため、乗客はそれぞれのクルーズパッケージに連続して乗船できないようになっています。そのため、金沢港で乗客は全員入れ替わります。

出港2時間前ぐらいから乗船できます。部屋のランクが高いほど、早く乗船可能。

乗客専用の無料駐車場、金沢駅からの無料シャトルバスも運行

乗船前に、荷物を預けることができます。ターミナル1階のCIQエリアに、乗船客専用の待合室が用意されています。

今回のクルーズ、乗客数はたったの154人。船内はガラガラで、ゆっくりと静かに過ごすことができました。おそらく乗客より乗員のほうが多いであろうこの状況、相当な赤字なはずです。

客層はほとんどが50代~80代。20代~30代は数名。マツコの知らない世界などに出演されているクルーズライターの上田寿美子さんをお見掛けしました。

時間になりアナウンスが流れたので乗船開始。コロナの問診票提出と検温を済ませ、乗船券を渡して部屋のカードキーを受け取ります。

ミス百万石のお二人のお見送り

乗船

ターミナルを出て、飛鳥2に乗船

入り口でカードキーをタッチ

入り口を抜けると、5デッキのアスカプラザへ

2020年の大規模リニューアル工事で、プラザに大型の液晶モニターが設置されました。

この豪華さで、クルーズ船に乗ったのだという高揚感を最初に得ることができます。

アスカプラザの下にはレセプションがありますが、乗船時に立ち寄る必要はありません。後ほど立ち寄ってカードキーとクレジットカードの紐づけや、アスカクラブの入会用紙を受け取りました。

部屋

エレベータで移動して自分の部屋へ。

今回のお部屋は9デッキの「Dバルコニー」。バルコニー付きのお部屋で、Eバルコニーよりも一層高いお部屋です。ターミナルに預けた荷物は部屋に運ばれていました。

お値段は2泊3日で2人約30万円。

リニューアル工事を経て、液晶テレビが設置されました。BS放送や無料のVOD、船首カメラ、船内の案内、マップなどを表示できます。VODのコンテンツは落語やゴルフの解説、ストレッチなど年配者向け。

机にはコーヒーやお茶のほか、飛鳥がデザインされたマスクケースや、マスク専用のゴミ袋。レストランに行けば使い捨ての紙製マスクケースがもらえるので、このマスクケースは使わずにお土産として持って帰りました。クリアファイル代わりに使えます。USB充電も机にあります。枕元にあればもっと良かったかも。

部屋のお風呂とトイレ。一通りのアメニティがそろっています。大浴場を利用したので、今回このバスルームは使用しませんでした。アメニティは毎日無料で補充されます。

冷蔵庫にはお茶とお水、オレンジジュース。こちらも毎日無料で補充されます。

左舷のお部屋だったので、バルコニーからクルーズターミナルが見えます。

船内ではWiFiが無料で利用できますが、接続回数に制限があります。Dバルコニーでは1日10回、各30分まで。回数は毎日0時にリセットされます。沿岸を航行していましたが、携帯回線は繋がったり切れたりの状態だったので、WiFiを重宝しました。

アスカデイリー 1日目

お部屋には、その日の催し物やドレスコードなどスケジュールが記載された船内新聞「アスカデイリー」が毎日届けられます。このスケジュールを見て、船内の至ることろで開催される催し物に参加します。

出港前に軽食

11デッキのリドグリル・リドガーデンへ。船の出港までまだ1時間以上ありますが、すでにレストランは営業中。

お寿司やアルコール類以外は、追加料金無く無料で食べ放題となっています。

感染症対策のため、レストラン入り口やエレベーター前など、随所にアルコールの消毒液が設置されています。1日に50回以上は消毒を行ったのではないでしょうか。また、レストラン入り口では検温が必要で、37.5度以上の熱があると、入室できません。

テーブルは飛沫感染防止のためすべてアクリル板で区切られ、同室の方以外とは一緒に食事がとれないようになっています。人が入れ替わるごとに、座席やアクリル板をすべて徹底的に消毒します。

まだ出港してませんが、さっそく黒毛和牛のステーキと黒毛和牛のハンバーガーを注文。さらにバイキングからスイーツも。早く乗船できると、お昼ご飯代わりに軽食をいただけます。もちろん何度でも注文可能。

避難訓練

出港前の避難訓練の実施が義務付けられています。救命ボートの位置の確認や、救命胴衣の着用方法の説明があります。本来7デッキから外に出て救命ボート下で行うのですが、雨なので6デッキで実施。

出港イベント

避難訓練を終えて、7階のプロムナードデッキへ。

あいにくの雨ですが、ターミナルにはお見送りの人が多数集まってくれました。

出港イベントは「The日本海&北國新聞 / ザ・はた」によるYOSAKOIソーラン。いつも岸壁で見ていて、今回のクルーズでも楽しみしていました。が、そこそこ強い雨。岸壁ではなく展望デッキでの実演となりました。結構遠いし暗いです。船から200mmレンズでこちら。超望遠が必要でした。

「ザ・はた」。ターミナルビルの前ではためく様子を見たかったのですが、残念。

出港5分前、デッキにドラが響きます。

お見送りに集まってくれた方が、配布された青いタオルを振ってくれました。紙テープや風船はありませんでしたが、この雨の中これだけの人が集まってくれると結構うれしいものです。最後に「踊れ日本海」の披露。

大河ドラマ「利家とまつ」のメインテーマ「颯流」が流れて離岸。

2週間前に飛鳥2が寄港した際は、天気が良かったのでバルーンでお見送りでした。(2021年4月2日に撮影)

飛鳥2は湾内を進みます。からくり記念館。

ディナー

18時からディナー。通常2回制ですが、今回は乗客が少なかったので全員18時からの1回制。5デッキのフォーシーズンダイニングルームへ。入口では検温と消毒。

普段は自由席ですが、コロナ対策でディナーのみ指定席。初日、二日目と同じ席になります。

3列あり、窓に近いほうからDバルコニー、Eバルコニー、Kステートの順。部屋のランクで窓からの近さが変わるようです。

Dバルコニーは、ディナーをいただきながら夕日を眺めることができました。

スイート以上は、11デッキに別のダイニングルームがあります。もしくは料理を部屋に運んでいただくことも可能。

ディナーのメニュー。スープやメイン、デザートは3種類から選べます。

小海老と菜の花 紫キャベツのマリネ

パパイヤの冷たいスープ

金目鯛のボワレ 野菜のブールブランソース

黒毛和牛フィレニクのポワレ マデラソース

濃厚ガトーショコラ 牛蒡のアイス

ショー

ギャラクシーラウンジにて、プロダクションショー「Back To The 80’s」。80年代の洋楽と10名ほどの外人ダンサーによるダンスのショー。ショーは撮影禁止のため開演前に撮影。ショーの様子は部屋のテレビからもリアルタイムで見ることができます。

ハリウッドシアターで飛鳥Ⅱの専属マジシャン「渡邊卓也」によるマジックショー。

夜食

22時から夜食の提供

本日は鶏とほうれん草のごぼうそば、アボカドとチーズの巻き寿司、シュウマイ。フルーツ各種。

グランドスパ

日本人向けのクルーズ船なので大浴場があります。カードキーを提示して検温と消毒。アメニティやタオルはここにも用意されています。

大浴場の手前にはこれまでの寄港地のプレートが多数

大浴場

リニューアル工事で新しく設置された露天風呂。接岸中は外から丸見えなので、航行中のみ利用可能。

グランドスパと同じフロアにはフィットネスセンター。コロナ対策でインストラクターがいない間は使用不可となっています。

若狭湾の沿岸に沿って、飛鳥は日本海を航行します。初日は揺れもなく快適でした。

2日目

朝日が雲から出たり隠れたりと、不安定な空。

デッキは雨でびしょびしょ。

外を散歩するはちょっと、といったお天気

アスカデイリー2日目

舞鶴に上陸せずとも、船内で様々なアクティビティに参加して過ごすこともできる日程

朝食

朝食会場は2か所。好きなほうへ。

ディナーと同じ5デッキのフォーシーズン・ダイニングルームでは和食

小鉢に入っている量はそれほど多くありませんが、種類が豊富で当然これだけでおなかがいっぱいになります。ごはんかお粥かを選択できます。

11デッキに移動して、バイキング形式の洋食会場へ

さらにこちらでパンケーキや目玉焼き、アイスなどをいただくことができます。

朝食は9時まで。何度でも出入りして食べることができます。

舞鶴港へ

飛鳥2は舞鶴湾を進みます。

タグボートが来て水先案内人が乗り込みます。

舞鶴港といえばフェリーターミナルや海上自衛隊 舞鶴基地のある舞鶴東港が有名ですが、クルーズ船が接岸するのはそこから6kmほど離れた舞鶴西港。

岸壁へ

接岸時の操舵はこの出っ張った部分でできるようです

地元の市民やゆるキャラによる歓迎

太古の演奏

金沢港では左舷を接岸しましたが、舞鶴では右舷を接岸したため部屋からは海側の眺め。

観光

オプションツアーがいくつかあり、天橋立や赤レンガ倉庫観光のツアーが用意されていました。いずれのツアーも船外での飲食を自粛するよう通達があります。

第2ふ頭旅客ターミナル「うみとびら」ではちょっとした舞鶴土産の販売。

赤レンガ倉庫への往復バスも800円で運行していました。護衛艦「ひゅうが」や先月に退役した護衛艦「まつゆき」などを遊覧船から眺めます。

船内散策

上のフロアから順に船内をうろうろしてみます。

今回のクルーズ。ほとんど雨降ってましたし、寒すぎてプールを利用している人など皆無でした。

一応温水のジャグジーもあります。

ビスタラウンジ

船首部のガラス張りのエリアです

ビスタラウンジは夜になると天井に星空が映り、素敵な空間となります。

その横にはバーもあります。

アルコール類は有料

パームコート

時折生演奏などがあって、広々とした空間でゆっくりとお飲み物をいただけます。

イースクエア。コロナ対策でPCは撤去されています。

リドカフェ

和室 游仙。お茶のイベントはなかったので、使用しておらず

ライブラリー

本は読み終えた後、1冊1冊消毒が行われる様です。利用されている方を見かけることはありませんでしたが。

ザ・ビストロ

カフェで飲み物をオーダーすると、個包装されたお菓子ももらえます。持って帰ってこのままちょっとしたお土産にすることも。

アスカプラザ

船尾のスポーツエリア。本来ここでもレクリエーションがいくつか開催されますが、天気が悪かったのでほとんど屋内で開催。

カジノルーム「モンテカルロ」。日本船なので換金はできませんが、本格的なカジノゲームやスロットマシーンを楽しむことができます。

お土産ショップ各種

クラブ2100。コロナ前はダンスパーティーなどが開催されていましたが、このご時世なので開催無し。本日は輪投げ大会が開催されていました。ゲーム大会は限定の景品がもらえるということもあって、意外に白熱します。恒例のビンゴ大会はこのクルーズではありませんでした。

ピアノバー。ディナーの前などはここで生演奏が披露されていました。

映画は「スピード」などを上映。

乗船日数が1,000日、2,000日を超える乗客のプレート。先日亡くなった橋田壽賀子の名前も。

マリナーズクラブ

エレベータは前方、中央、後方の3か所。ボタンの横に消毒液が設置され、フロアを移動するごとに所毒します。

客室がある各フロアにはセルフサービスランドリー。お金の投入不要で無料で洗濯機や洗剤、乾燥機が使えます。長期のクルーズも安心。

昼食

うな重、ひつまぶし、黒毛和牛の西京焼きを提供。両方食べることもできました。

朝食と同じく、11デッキのレストランでは洋食バイキング。さらに飛鳥名物のハンバーガーをいただきます。

バイキングですが、コロナ対策ですべてウェイターさんが1つ1つトングで取ってくれます。

接客クルーのほとんどが外国人ですが、全員日本語がしゃべれますし、作法も徹底されています。

サラダ各種

昼食後はスパゲッティやハンバーガー、ステーキなどをお好みで夜まで提供。

舞鶴港 出港イベント

地元の吹奏楽団による吹奏楽の演奏が行われました。

シャボン玉マシーンが設置され、7デッキはシャボン玉まみれ。岸壁まで飛んでいき、下にいた吹奏楽団のお子さんたちも大はしゃぎ。

ドラ再び

金沢港に比べて、お見送りが簡素です。

というのも舞鶴港、岸壁には関係者しか入れません。一般の方は遥か遠くから見るしかなく、また船尾を向いているためか、見送りに来る人があまりいないようです。

タグボートが舞鶴湾内を並走

ディナー

2日目のディナーです。アスカプラザにはピアノの生演奏と生歌が響きます。2日目はドレスコードがインフォーマルなので、乗客の皆さんそれなりの恰好になります。

ディナー会場へ

座席は昨日と同じですが、船の向きが180度逆になったので、夕日は反対側。

総料理長によるこの春の日ディナーの説明。各テーブルに挨拶に来られていました。

メニュー

春キャベツのムースと帆立、初ガツオとグレープフルーツ

桜姫鶏のコンソメスープ、フォアグラのタルトレット

カルパッチョとキャビア

サーモンのコンフィ

アスパラサラダ

チャウダー

黒毛和牛のロースト

アイス

ピアノ演奏

本日のディナーショーは「テディ池谷」によるピアノ演奏。ギャラクシーラウンジには行かず、部屋のテレビで鑑賞。

航行

この日、日本海は2メートルの波が予想されています。そのためディナーとショーの時間は比較的海面が落ち着いた湾内をグルグルしながらとどまり、夜中のうちに金沢に向けて進むとアナウンスがありました。

夜になってくると、船が激しく揺れだしました。大型のクルーズ船ですが、何かに掴まっていないとふらついてしまうほどの揺れで、部屋のきしむ音が気になってなかなか眠れませんでした。船酔いした人も大勢いたのではないでしょうか。

夜食

揺れていて、かつ朝からずっと食べていてあまり気分はよくないのですが、本日9食目となる夜食へ。2日目はいりこ出汁のひじき麺なる料理を提供。

3日目

昨日の夜からずっと激しく揺れっぱなし。

往路は沿岸に沿って航行していましたが、復路はまっすぐ突っ切て来たようです。

アスカデイリー 3日目

最終日はさすがにイベントはありません。

朝食

和食は前日とメニューが異なっています。

洋食はバイキングなので、好きなものを好きなだけ

金沢港下船は9時ですが、8時半まで食事を自由に頂くことができました。

金沢港へ接岸

金沢港へ近づいてまいりました。

サンセットブリッジ内灘。手前には水先案内人を乗せた小型船

ターミナルが見えてきました。出発時と違っていい天気。逆だったらよかったのですが。

お出迎えの人影は疎ら

船首の向きを回頭

接岸

下船

下船もランクが高いお部屋から順番

といっても乗客数が少ないので、9時すぎにすぐ下船することができました。

ターミナルではミス加賀友禅らがお出迎えしてくれました。

ダイヤモンドプリンセスの教訓を活かして、徹底した感染症対策が講じられていた飛鳥2。乗客が少なく赤字であろうにも関わらず運航しているのは、クルーズを安全に楽しむことができるということをアピールするためでしょう。このご時世、クルーズ旅行と聞くと盲目的に批判する人もいますが、ここまでのコロナ対策、普通に過ごすよりも安全です。

海外旅行に実質行けない今、プチ贅沢や新婚旅行にピッタリの商品ではないでしょうか。Go To トラベルが再開されるとさらにお手頃の値段となるので、検討されてみてはいかがでしょうか。