黒部峡谷は「日本三大渓谷」、「日本の秘境百選」にも選ばれた、富山県を代表する観光名所の一つです。夏にはエメラルドグリーンに輝く黒部川の清流と、涼しげな新緑の中を散策でき、秋には山肌に綺麗な紅葉が現れ、四季折々の景観が楽しめる風光明媚な観光地です。この絶景を最大限楽しめる方法は何と言ってもトロッコ電車です。
かつて黒部峡谷の電源開発の輸送手段として終点の欅平まで専用鉄道を開通しましたが、探勝を希望する一般の方と、地元の声が絶えなかったため、トロッコ電車は一般の方にも解放し、黒部峡谷鉄道として営業を開始しました。
今回はそんなトロッコ電車に乗って、紅葉が見ごろを迎えている宇奈月温泉から終点の欅平までの様子をレポートします。
目次
黒部峡谷鉄道宇奈月駅
トロッコ電車に乗るには、黒部峡谷鉄道宇奈月駅まで行く必要があります。お車の場合は黒部ICから20分。電車の場合は新幹線で黒部宇奈月温泉駅で下車後、富山地方鉄道で宇奈月温泉駅まで行く必要があります。
駐車場
お車でお越しの方は1日900円の有料駐車場(350台)が用意されています。
9時の時点でほぼ満車状態となりますので、紅葉などハイシーズン時にはご注意ください。(撮影時は11月5日)
服装
紅葉シーズンにトロッコ電車に乗車する際、窓なしのオープン型に乗る場合は、コートやダウンジャケットなどを着用することをオススメします。手袋やニット帽、マフラーがあっても良いと思います。
チケット購入
駐車場だけではなく、トロッコ電車自体も大変混雑します。9時頃に当日券を買う場合、11時の電車を買うことになる場合もあります。
チケット売り場も大変混雑しますので、事前にインターネットなどで予約をしておくと便利です。
駅構内も身動きが取れないほどです。
終点欅平までのチケットを買います。途中下車した場合は無効となりますので、途中下車したい場合は下車駅までのチケットを買う必要があります。
9時頃に当日チケットを買いましたが、11時台のトロッコ電車となりましたので、2時間ほど宇奈月温泉周辺を散策します。
宇奈月温泉周辺散策
宇奈月温泉はカフェや足湯などが充実していますので、2時間ほどは手軽に時間を潰せます。
行き交うトロッコ電車を見たり撮影したりという楽しみ方もできます。
駅から徒歩5分ほどのやまびこ展望台から。
駅から5分ほどのやまびこ遊歩道からは黒部川と紅葉を撮ることができます。
ポスターやチラシなどで見かける撮影スポットもあります。しかし午前中は逆光となりますのでご注意ください。
トロッコ電車乗車
乗車時間となりましたので早速トロッコ電車へ乗り込みます。
車両番号は決まっていますが、座席番号は決まっていません。席は早い者勝ちとなりますので、乗車時間前に駅構内で待機しておくと良いでしょう。また紅葉シーズンなどで写真を撮りたい方は、窓なしのオープン型、座るのは進行方向に向かって右側がオススメです。
走り始めました。20km/hほどで走ります。
新山彦橋を通ります。
トンネル内などは紅葉シーズンの場合かなり冷え込みます。
宇奈月ダムが見えてきました。2001年に完成した黒部峡谷で一番新しいダムです。
湖面橋
中世の古城のような建物は新柳河発電所です。
基本的に逆光が続きます。
猿のための専用吊り橋。残念ながら猿は渡っていませんでした。
仏石です。石仏に似た天然の岩です。
黒薙温泉
20分ほどで黒薙駅に到着しました。
黒薙駅には黒薙温泉があります。宇奈月温泉の源泉はこちらの黒薙温泉から引いています。黒薙温泉へ行くには黒薙駅から徒歩20分ほどかかります。
後曳橋です。入山者があまりの谷の深さに後に引き下がったことから後曳橋と呼ばれるようになったそうです。
黒部川出し平ダム
コンクリートで覆われた冬季歩道です。鉄道が運休する冬季期間に鉄道職員が通るために作られました。
黒部川第二発電所が見えてきました。
猫又駅
猫又駅ではすれ違うトロッコ電車の撮影スポットです。
紅葉との組み合わせが撮影できます。
紅葉シーズン真っ只中ですので、紅葉と青空のコントラストが非常に美しいです。
欅平駅到着
終点の欅平駅に到着しました。
終点で標高も高いということもありかなり冷え込みます。
駅構内にはストーブなどの暖房器具が置かれていました。
欅平駅には200席と余裕のあるレストランや、お土産処、売店などがあります。
11時頃のトロッコ電車に乗ると、欅平駅に到着するのは12時過ぎとなりますのでお昼ご飯をいただきます。
時間帯によって日陰ができます。
奥鐘橋
奥鐘橋です。日陰の無い写真を撮る場合は、午前中に欅平に訪れると良さそうです。
奥鐘橋。34mの高さから見える景観は絶景です。
人喰岩
奥鐘橋を渡ると、欅平の見所の一つ、人喰岩が見えてきます。
大きく口を開いた中をくぐる様子が、人を飲み込むように見えることからこの名がついたそうです。
水滴が岩から落ちてきます。
人喰岩を過ぎ、さらに奥へ進みます。日陰が非常に残念です。
人喰岩を過ぎ、トンネルを抜けると名剣温泉が見えてきます。
名剣温泉
岩の露天風呂が有名です。休憩宿泊ができます。
日本秘湯を守る会員の宿だそうです。
名剣温泉の料金。
紅葉を眺めながら露天風呂に入ることができるようです。
猿飛峡へ
一度欅平駅に戻り、猿飛峡へ向かいます。
猿飛峡へ向かう途中は狭いトンネルなどを通る必要があります。多少汚れても良い格好をオススメします。
トンネルは外から見るとこんな感じになっています。
猿飛峡へは徒歩20分ほどかかります。
黒部川にかかる紅葉と雪山のコントラストが美しいです。
歩くこと15分ようやく猿飛峡付近まで来ました。
猿飛峡に到着です。
休憩用の椅子などが用意されていますので、みなさんここで軽食等をとっていました。
猿飛峡は、黒部川本流で最も川幅が狭いところで、その昔猿が飛び越えたという事から、後に猿飛峡と呼ばれるようになりました。
帰路
欅平駅まで戻ります。
帰りが15時を過ぎるようであれば、かなり冷え込むため窓付をオススメします。
黒部峡谷鉄道宇奈月駅に到着です。お疲れ様でした。
紅葉シーズンはかなり混雑しますが、半日あれば十分楽しめますのでぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。